三菱地所と三井不動産のオフィス事業を比較してみる。
毎月980円(ラーメン1杯分の値段)で"デベロッパーの今がわかる"記事が4本読めます!
今回はそんな記事を無料で配信!今後も読み続けたい!毎週デベロッパーや就活のことをインプットし続けたい!と思った方はぜひ登録してみてくださいね!
今回のテーマは「オフィスビル」です。
-
オフィスビルの全体像


まずは会社全体の資産に占めるオフィスビルの割合を見てみましょう。
三井も三菱もさすがは業界トップで約6兆円もの資産を保有しています。
その中で三井はオフィスを占める割合が52%、一方の三菱はコマーシャル不動産事業というくくりなので厳密にはオフィスだけではないですが、全体の55%とどちらも半分以上がオフィスビルで成り立っているという構図は似ています。
-
両社が考えるオフィス事業のリスク


では次のそれぞれの会社が会社のポートフォリオの半分を占めるオフィスビルについてどうのように考えているのか見てみましょう。
上が三井、下が三菱です。
三井に関しては、やはりコロナによる需要の増減や、23年25年と竣工する森ビルや東京建物の大規模ビルによる供給過多を懸念しているように思われます。
一方の三菱はもう少し抽象的な予想です。
新型コロナには触れつつも、ホテル事業等のリスクを懸念していますね。
これにはコロナ禍でも丸の内の価値は絶対に揺らがなかった。三菱地所の確固たる自信を感じます。丸の内は日本を代表する企業が本社を構える街です。
日本の心臓部と言っても過言ではありません。そんな丸の内に対する懸念は未だ出てこないというところでしょうか。
「丸の内のリスク」これに関しては、我々がバーチャル空間に完全に移行したときか、地震で丸の内のビルが崩壊するみたいなことが起きない限り、揺らがないと思っています。
ここに関して異論があればぜひ教えていただきたいです。
-
オフィスビルの空室率比較


もうひとつ最後に「空室率」を見てみましょう。
空室率は一般的に6%を超えると、オフィスの供給過多だと言われています。
コロナ禍でオフィス需要が下がったと言われていましたね。
さて本当にそうでしょうか。両社とも5%を切っています。
これはオフィス事業としては良いほうです。
やはり都心一等地のオフィス需要はコロナ禍では下がらなかった。そもそも丸の内日本橋エリアにオフィスを構えているのはほとんどが大企業の本社です。それがコロナなんて理由で下がるわけがなかった。
一方で豊洲エリアなど東京湾岸エリアの空室率は6%を上回り話題になりました。
あのエリアはSlerやカード会社などIT系企業が多く入居していたからかなと私は考えています。
それでも東京ミッドタウン八重洲もテナントが決まっていないという話があるので、
新規の貸付面積は減っているのかなと考えています。
-
今後のプロジェクト
最後の両社の主要プロジェクトを挙げて終わりたいと思います。
こんな感じで拡大していくんだなあと思ってもらえればOKです。


2023年通期の両社決算
三菱地所の2023年度の決算(通期)
上記より全文読めます。
三井不動産の2023年度の決算(通期)
まずはサマリーから...


三菱地所 営業利益 2786億円
三井不動産 営業利益 3396億円
三井不動産は過去最高益を更新しています。これだけでも業界トップの2社に610億円もの差があることが明確にわかります。数字でみると面白いし解像度が高まるのが実感いただけたでしょうか。


カテゴリーの分け方が両社異なるため、単純な比較はできないのですが、両社の収益のトピックが書かれています。三菱地所はホテルや住宅系事業の調子がよかった。一方で海外事業については昨年よりも下がっています。
三井不動産に関しても同じく、住宅の売上はやはり良い。住宅の市況が非常に良い1年であったことがわかります。また海外事業も賃貸オフィスの収益で順調に伸ばしている点が三菱地所と異なる点です。また施設営業に東京ドーム等の収益がある点も三井不動産の特異な点だと言えますね。
IRの細かい数字は興味があれば見る程度で構いません。でも先述のように、社風が...とか三菱地所は丸の内、三井不動産は日本橋といったイメージで企業を語るのではなく、数字でなぜ三菱地所は丸の内と言われるのか、なぜ三井不動産は日本橋と言われるのか。三菱地所は丸の内以外に強みがないから弱い?
そんな就活にまつわる噂もIRを見れば一発で解消されます。誰かの噂を信じるのではなく、事実をベースに進めていきましょう。
コラム:再現性と継続性
【転職面接の極意】結論、この2つだけ。知らない人はメンドイ準備がムダになります…。
朝からサラタメさんというYoutuberがいいこと言っていたのでまとめます。
これは転職の話ですが、新卒採用にも当てはまることです。
就職に置き換えて話せば、新卒採用における意識で一番重要なことは3つ
①再現性と継続性
②自分の転職(就職)の軸
③マッチング
この3つです。
一方で絶対にやってはいけないのは
①ただの会社説明
②欲望丸出し
③誰かの受け売り
だとサラタメさんは言います。
まず①の再現性と継続性について
面接では学生時代に力を入れたことや、自身の強みについて聞かれると思いますそれはなぜか。
企業の人にとって、ガクチカから発揮された強みやあなたが興味関心を持って継続的に取り組めたこと、それが果たして入社後も継続されるのか、その強みが入社後にも再現性を持って発揮されるのかそこが企業が聴きたいところです。
なので学生時代力を入れたことや強みを話す際にはどんなモチベーションでそれに取り組みなぜそのような考え方が形成されたのかという観点から、しっかりと入社後もこの強みを発揮できるということそしてそれを継続的に発揮できるというところを伝えてください。
次に②の自分の就職の軸について
これはいつも言っている通り自分の軸がある人というのは三菱を受けようと三井を受けようとその志望理由に一貫性があります。
例えば私の場合は新規事業を創りたいという目標がありました。デベロッパーへの就職はそれを達成するための手段です。
このゴールが明確な人はどんな角度から質問をされても一貫した答えを話すことができているという印象を受けます。
一方でこうした軸・ゴールがない人については面接練習を通していると三菱地所ではエリアマネジメントをやりたい、オフィスビル事業に携わりたい、などどんな質問をされるかによって自身のやりたいことが毎回異なるというところでかなりブレブレな印象を受けます。
最後に③マッチングについて
結局のところ企業はあなたが学生時代どんな取り組みをしたのかどんな強みを持っているのかそんなに興味はありません。 一番はあなたがこの会社に入ったら、しっかりと活躍してくれるのかどうか、それだけです。再三述べているように企業には人事戦略があります。
こんな学生を何人採用しようというペルソナを設定しており、そこにあなたがハマれば内定が出るそうでなければ内定は出ないそれだけです。
一方で絶対にやってはいけないことについて
①ただの会社説明
これは多くの学生の ES に当てはまります。
例えば「三井不動産志望しています。理由は商業施設が強いからです。また御社は経年優化を掲げておりその理念に共感するからです。」そんな志望理由が多々見受けられます。
しかしそんなことはホームページを見れば書いてあるし、わざわざ伝える必要のないことです。またこの1文からあなたの良さや強みが伝わるかと言われたら全く伝わりません。 ES及び面接での回答は常にあなた自身を採用してくださいと PR するためにあります。
そこに会社説明は要りません。
今一度自分の回答の主語が自分自身になっているか会社になっていないかを確かめてみてください。
経年優化に力を入れているのは三井不動産であってあなたではないです。私はこう考えるから、こんなことを成し遂げたいから経年優化を掲げている御社に入りたいんだ。主語は常に私であるべきで三井不動産になってはなりません。今一度確認してみてください。
②欲望丸出し
正直デベロッパーを志望する理由としてまちづくりなどあると思いますが、年収が高いとか業務時間が短いとかそういう魅力もあります。ただそれはあなたにとっての就職するメリットであって企業が採用する理由にはなりません。
年収が高いから志望していますホワイトだから志望していますという理由は持っていても構わないですがそれを言うことに意味はない。
面接での回答は常に企業が自分を採用するメリットを提示し続ける、他の学生よりもより多くの採用するメリットを企業に提示するそれだけを徹底的に意識してください。
③誰かの受け売り
最後に誰かの受け売りについてはあまりお勧めしません。東京建物が次世代デベロッパーだから志望している。海外事業に力を入れているから志望している。誰かの言葉を借りた市長はあまりお勧めできません。
面接官は人間です。 最終的に採用するかどうかの判断はやはり熱意があるかどうかというところに依存してくると思います。ロジックが通っているとか理由があるからとかそういうのは分かるけれども、やはり対面の面接だと熱意を感じるか熱い思いを持っているかみたいな部分が意外と重要だったりします。
それが誰かの受け売りの言葉ではなかなか伝わりません。自分で一生懸命考えて言語化した自分の言葉でしっかりと伝えていく。それが面接官に響けば内定が出ると思うし、 あまり響かなければ内定が出ないそれだけだと思います。
今回はたまたま朝見た YouTube でいいことを言っていたのでまとめてみました。
今後面接練習をする際、面接の回答を作る際に一番重視してもらいたいこと。
それは常に自分が主語になっているかというところです。
三井不動産が〜だから、 三菱地所が〜だから、そんな話はどうでも良いです。
面接官が一番聞きたいのはあなたがどう思うから弊社に来たいのか。
僕たちの思いが一番伝わるのは私がどう思うから、御社に入社したい。という部分です。
主語が自分になっているかどうか、今一度意識してみてください。
これは個人的な感覚ですが、デベロッパーの内定者は良い意味で我が強くて、みんな芯を持っています。それは過去の経験にも基づいているし、仕事に対する姿勢にも現れていると感じます。
例えば、自分は家庭が貧乏だったけれど、その劣等感から大学では奨学金を借りて、慶應に進学し、どんな裕福な学生よりも勉強したAさん。これからは貧しい家庭の人たちも楽しめる街を作りたい。こんな仕組みを導入したら実現できるのではないか。それを実現するためにはどこの部署にいけばいいんだろうか。
就職活動のための理由ではなく、本当に心の底からそう思えている芯のある人間はやはり誰に何を言われようと、どんな辛いことがあっても絶対に折れない。そんな強い意思を一緒にいるだけで感じるんです。
すでに登録済みの方は こちら